2019年10月23日水曜日

『Asian Dream』刊行記念イベント@横浜「ちぐさ」



今年の五月末に刊行された、詩とジャズが対話する拙新詩集『Asian Dream』(思潮社)。その刊行記念イベントを、日本最古といわれる横浜野毛のジャズ喫茶&バー「ちぐさ」にて、来たる11/30土曜日に開催していただくことになった。

白石かずこ、諏訪優、吉増剛造といった詩人たちがそうであったように、日本の現代詩の朗読は、ジャズとのセッションからはじまったといっても、過言ではないだろう。そんな、詩とジャズの蜜月が、失われてひさしい。

生前、ジャズ評論家であり音楽エッセイストでもあった、吉田衛氏が創業した「ちぐさ」。日本に本格的なジャズクラブもなく、輸入レコードも希少だった時代。「ちぐさ」には、日本のモダンジャズの草創期を綾なした守安祥太郎、渡辺貞夫、秋吉敏子、日野皓正、山下洋輔といったミュージシャンがかよい、当時の最新海外ジャズを吸収したという。また、吉田氏は優れた仕掛人でもあって、ジャパニーズ・ジャズの黎明を告げた「モカンボ・セッション’54」などのレコードのリリースに深く携わった。「ちぐさ」は、まさに、伝説的なお店なのだ。

本イベントは、たんに刊行記念というだけではなく、そんな「ちぐさ」にオマージュを捧げ、魅力的なゲストをお招きしながら、ジャズ史を物語る「ちぐさ」秘蔵のアナログレコードと詩の朗読セッション。トーク、ダンス、飛び入り朗読(シットイン=sit-in)など、盛りだくさんの愉しい一夜にしたいと思います。

詳細は、下記インフォメーションをごらんください。また、限定三名様のSit inの募集もしています。この機会にジャズとの朗読を愉しまれたい方は、本ブログのコメント蘭にペンネームを書いてお申し込みください。『現代詩手帖』11月号でも1/2ページ広告を掲載しています(「ちぐさ」でのシットイン受付、入場予約はしておりません)。



石田瑞穂詩集『Asian Dream』刊行記念イベント
Poetry And Jazz And Night
-Tribute to Chigusa-

出演

石田 瑞穂 (詩人)
マルティーナ・ディエゴ (詩人)
永方 佑樹 (詩人)
レンカ(踊り) and more…

日時 20191130日(土曜日)19:00 start 21:00 end 
    (18:30開場を予定)
場所 ジャズ喫茶 ちぐさ
   神奈川県横浜市中区野毛町2丁目94

入場料 無料(ワンドリンク注文制、予約不要)
後援 思潮社


みなさまのお越しを、心よりお待ちしています。

2019年10月14日月曜日

バリ島での休息





 一週間ほど、バリ島にいってきました。

 帰国の日は、ちょうど台風十九号が日本に到来しつつあり、台風とおいかけっこをしながらのフライト。乱気流に機内はすごくゆれて、飛行機酔いをする客が続出したのだった。

 翌日、数十年に一度の勢力の大台風は、各地におおきな被害をもたらした。災害に遭われた方々に、心からのお見舞いを申し述べたい。



 さて、バリではすこし仕事もしたけれど、滞在した「メリアホテル」の敷地からほとんど一歩もでずに、プライベートビーチで泳いだり、たまっていたプルーストを読んだり、バーでカクテルを呑んだり。

 ホテルは、まさに現代のルンビニ園のごときリゾートホテル。椰子と棕櫚の木が茂り、紅白のブーゲンビリアやみたことのない百合が咲き、朝夕に蓮が開花する。
 払暁とともに、メグロヒヨドリが木のフルートのような美しいさえずりを聴かせてくれて、カワセミよりひとまわりおおきいジャワショウビンが電光石火の速度で飛び交う。バリ島の野鳥たちは、あの全身に虹をまとった小鳥、セイコウチョウがそうであるように、歌も姿も鮮やかで自己主張がとてもつよいのだった。

 ビーチはえんえんと遠浅の海で波もおだやか。紺碧から薔薇に刻々とうつりかわる海を眺めながら、海辺のテラス席で夕食をしたためる。ながらく、欧州の植民地であり交易も盛んだったバリ島は、地ワインも本格的で美味しい。
ホテルの隣には、「ミュージアム・パシフィカ・バリ」(バリ太平洋博物館)もあって、ちょうど、バリ島美術の特集展を開催していた。地元のアーティストのほかに、オリエンタリズムをもとめてバリに滞在したドラクロワ、ルソー、ゴーギャン、マティスの作品もある。ゴーギャンのちいさな彫像「大地から生まれる女神」もよかったが、20世紀初頭のドイツ人画家ヴィレム・ホフナーのえがいた「聖泉で沐浴する女たち」が、とてもよかった。豊満な胸もあらわに、色とりどりの布地と花々を水鏡にした聖なる泉で沐浴する少女たちの姿が、止めようもなく失われたありし日のバリをとりもどす。

とある日の、明け方の一時間。ガジュマルの巨樹がめのまえに聳えるバルコニーで、ぼくは一篇だけ、ツバメ印のノートに短い詩を書いた。若い詩人たちからの依頼で、未だ名前も知らないポエトリマガジンの創刊号のため、一息に書き下ろした詩だった。

銀軸のボールペンを擱くと、彼方からの潮騒と、うるさいくらいのオオジロムクドリの歌声が、世界の夜明けをしらせてくれる。

いずれ、バリと詩についてエッセイを書く日も、くるだろう。

2019年10月6日日曜日

左右社WEB連載「詩への旅」第五回掲載とイベント情報



 今月の詩的紀行エッセイ「詩への旅」が、掲載されました。

昨年10月に他界され、ちょうど一周忌にあたる、日本を代表する詩人、入澤康夫氏と出雲をめぐる紀行文です。

おこがましいかもしれないけれど、ぼくにとって、入澤氏に寄せる「わが鎮魂」なのかもしれない。詩人のご冥福を心からお祈りして。

下記URLより、ぜひ、ご一読ください。


 それと、イベント情報とありますが。

 今年五月末に刊行された、ぼくの新詩集『Asian Dream』(思潮社)の刊行記念イベントが、急遽、11月末に開催決定いたしました。

しかも、詩集の後書でふれた、現存する日本最古にして横浜野毛のジャズ喫茶店「ちぐさ」さんにて。
 
本日午後からバリ島へ発つため、詳細は後日、本ブログでお知らせしてゆきます。

詩の朗読とジャズのセッション、トークなど、魅力あふれるゲストをお招きして開催する予定です。ご期待ください!

*次回更新は10/15をめざします。See you later alligator!

2019年10月4日金曜日

LUNCH POEMS@DOKKYO 10/17 リブート!



 一年間のインターバルをはさんで、今月、いよいよ、「ランチポエムズ@DOKKYO」が再始動します。

 このプロジェクトは、毎月第三木曜日のランチタイムに内外のフロンランナーの詩人たちを獨協大学キャンパスにおまねきし、朗読をメインに自作解説をしてもらうというもの。

朗読と講演は録画させていただき、現代を代表する詩人たちの映像アーカイブをつくるのが目的。映像はユーチューブでも公開し、40本以上の詩人の講演録をアーカイブ化。内外の詩の愛好者や研究者がフリーでアクセスできるようにします。
これまでの朗読動画は、下記リンク、「LUNCH POEMS@DOKKYO」公式ホームページにて、ご覧ください。

 今月の詩人は、『√3』につづく新詩集『不在都市』(思潮社)と「立体詩」の実践で注目されている若手女性詩人、永方佑樹さん。どうぞ、おたのしみに!

 開催日時 10/17 12:30会場 1330終了予定
 開催場所 獨協大学 天野天佑記念館4F ICZ

  予約不要、入場料も無料。獨協大学生や大学関係者はもとより、それ以外の方でも参加いただけます。ぜひ、お越しください。