2020年11月26日木曜日

観照空蓮房「空を掴め」展、蔵前の子鳥とお知らせ

 

 

 コロナ禍が再活性化し、いよいよ、東京都も警戒態勢にはいった。東京浅草にちかい蔵前のギャラリー空蓮房で開催中の石田瑞穂(詩譜)+谷口昌良(写真)「空を掴め」展も、おかげさまで、さまざまなお客さまにおこしいただいています。

 

 とまれ…、予告していたアートガイド・ツアーは、参加希望の学生さんとも話し合い、ぼくの判断で中止にさせていただいた。学生のみなさん、ごめんなさい。それでも、まだ、個人で再申し込みする都内在住の学生さんもいるみたいなので、コロナに気をつけて、お越しください。

 

 さて、本展とは直接かかわりありませんが、お知らせをふたつ。

 

 11/27読売新聞の夕刊「にほんご」欄に、新作詩が掲載されます。機会があれば、ぜひ、お手にとってお読みください。

 

 当方の事情で遅れていました、左右社WEB連載中の詩的紀行文「詩への旅」の第12回が掲載されました。今回は、現在、ロックダウンされてしまっている、パリの思い出。詩人はジャック・プレヴェールです。こちらも、ぜひ。

 

 写真は、蔵前の骨董もあつかうギャラリー「水差」で譲っていただいた子鳥。じつはこれ、李朝の瑞鳥で、鳥笛になっている。蔵前は老舗おもちゃ問屋がおおい街なのだが、街歩きは大人の縁日みたいでおもしろい。李朝の鳥はふだん書き物机に止まり木しているが、執筆疲れのときは手にとり、よき詩想が降ってきますようにと、笛を吹いては遊んでもらっている。

2020年11月21日土曜日

観照空蓮房「空を掴め」展、In the Empty Lotus




 いま、東京浅草にちかい蔵前のギャラリー空蓮房で開催中の石田瑞穂(詩譜)+谷口昌良(写真)「空を掴め」展、さまざまなお客さまにおこしいただいています。もちろん、会場には十全なコロナ対策をしていただきながら。

 

 こうした状況下でも、予想を上回る来客数がある。一般のお客はもとより、先週は写真家の畠山直哉氏、小平雅尋氏、そして写真詩画集『空を掴め』の生みの親でもある、ギャラリストの菊竹寛さんとデザイナー/装幀家の木村念将ご夫妻もいらした。谷口さんの写真作品はともかく、ぼくの詩譜は…ただ冷や汗がでるばかり。

 

 ぼくが日頃からお世話になっているクリエイター、編集者のみなさま、仕事仲間や友人知己も応援にきてくださり、こころからお礼を申し上げます。

 

 さて、今月の初めには、今回の展示に協奏してくださった詩人のみなさんのオンライン・ポエトリーパフォーマンス「In the Empty Lotus」が収録され、会場内のQRコードからご覧いただけるようになった。こちらも、非常に好評です。ぼくも、さっそく、展示を愉しみながらポエトリーパフォーマンスを拝聴したのだった。ちなみに、PCやスマホがまったくダメなぼくも、かんたんに視聴できました 苦笑

 

 二宮豊さんは本展のために書き下ろした詩を朗読。日本語の詩に耳を澄ます愉楽を大切にした作品だ。きちんと意味もたどってゆける。展示と、その外にひろがるコロナの世界を若き詩人はどうみつめているのか。印象的な作品とリーディングだった。


 永方佑樹さんは、展示室内を言葉を発し舞うように歩みながら『空を掴め』をリーディングしてゆく。読む呼吸がとても鋭く、静かで、その呼気は声の鋏となって詩の行とコロナ世界を分裁してゆく。すると、詩譜と写真作品に、「だれか」の息と声がまつろい空間そのものがゆるやかに変容してゆくのが不思議だった。


マルティーナ・ディエゴさんは、イタリアの伝説の詩人、ジャコモ・レオパルディの『無限』から、日本語とイタリア語で朗読を捧げてくれた。とても光栄だが、現代詩人のディエゴと古典詩人のレオパルディが奏でるイタリア語のリーディングは圧巻。現代と古典、ふたつのイタリア語が音叉のように響く、音楽だ。さすがはストラディバリウスの国、なんて、ヘンな感想がついうかんでしまう。


佐峰存さんは自作詩をスリリングに捧げてくれる。その詩と声によって、展示に新たな世界の境界が書き重ねられていくよう。そういえば、朗読前の控え室でのこと。アメリカの高校で詩を書きはじめた佐峰さんは、日本語の詩を横書きで読み書きすることにまったく抵抗がないとか。日本の行書と英語の筆記体が入り混じる詩譜に面して、佐峰さんの声が静かにうねっていることに、耳を澄ましたい。


詩篇「雷曲」の英訳者、関根路代さんも、英語で「雷曲」をリーディングしてくださり、翻訳者としてのコメントを寄せてくださった。関根さんは、今回ただひとり、いわゆる創作者ではない。けれども、翻訳者が語った「雑念」という言葉に、本展の鍵のひとつが、ある気がする。


空蓮房さんによると、In the Empty Lotus」を視聴しつつ展示を観る方は、ゆうに一時間、観覧制限ぎりぎりまで展示室ですごされ、愉しまれているそうだ。

2020年11月11日水曜日

観照空蓮房「空を掴め」展、浅草蔵前アートさんぽ開催

 




 空蓮房で開催中の石田瑞穂(詩譜)+谷口昌良(写真)「空を掴め」展、おかげさまで、予約も順調にはいっています。

 

 さて、来たる1125日水曜日、午後2時から、一般の学生さんを対象に「石田瑞穂の浅草蔵前アートさんぽ」を開催いたします。

 

「空を掴め」展、なぜ、このタイミングで? と、お客さんからも尋ねられます。今年上半期は、学生さんたちがコロナ禍により通常のキャンパスライフを送ることができませんでした。そして、この状況はいまもつづいています。学生さんたちに、コロナに負ケズ、充実した芸術鑑賞をしていただき、愉しい思い出をつくってもらいたい。そんな願いもあったのです。

 

今回のアートガイドは展示のみならず、浅草や職人の街・蔵前をさんぽしながら、人気文具ブティックに立ち寄り、ショコラと珈琲で有名な隠れ家的名店でお茶をしたり、麦酒でも呑みましょう。

 

<石田瑞穂の浅草蔵前アートさんぽ>

 

14:00 東京蔵前・ギャラリー空蓮房 集合〜観覧

15:30 文具ブティック「カキモリ」〜珈琲店「蕪木」〜鳥越商店街など

17:00 いったん解散、20歳以上の希望者は東京最古のビアホールのひとつ「神谷バー」で軽食とアサヒ・マルエフビールなど

 

定員  3名程

参加費 600円(珈琲代)

1,000円(20歳以上の希望者のみビールと軽食代)

申込  空蓮房公式ホームページ内の「予約」からメールで申込

    https://kurenboh.com/show/

 

ご一緒に、アートな秋の一日を愉しみましょう。

2020年11月4日水曜日

観照空蓮房「空を掴め」展が本日開催



 東京は浅草にちかい蔵前のフォトギャラリー「Kurenboh  空蓮房」にて、ぼくと写真家の谷口昌良さんとの写真詩展「空を掴め Catch the Emptiness」が、本日午後から開催されます。詳細は下記公式ホームページから。オンラインパフォーマンスも、順次、オープンしてゆきます(「イベント」をご覧ください)。

 

https://kurenboh.com

 

コロナ禍であるにもかかわらず、おかげさまで、入房予約は順調のようです。いつもの感じだと、後半は予約がすぐ埋まってしまうので、お早めにご予約ください。

また、好評刊行中の写真詩画集『空を掴め Catch the Emptiness』(Yutaka Kikutake Gallery Books)ですが、おかげさまで、在庫僅少にて入手がむずかしくなっています。空蓮房で最後の在庫を、ぼくと谷口さんの署名入りで販売していますので、ご希望の方はお求めくださいませ。

「イベント」には告知がありませんが、コロナ禍で大学にゆけない学生さんたちのために、ぼくが今回の展示と浅草蔵前のお散歩&グルメスポットをガイドする展示ツアーも企画中。空蓮房公式ホームページと本ブログをチェックしてみてください。

 

写真は、先週木曜日、ぼくが最後に揮毫した「詩譜」の一部。揮毫は二日間にわたり六時間ほどかかった。かなりワイルドな、未見の展示となった。なってしまった。

このあと、たまたま空いていた江戸蕎麦の老舗名店「並木薮蕎麦」で独り打ち上げ。





手持ちの星岡窯粉引酒盞(荒川豊蔵作)に酒をついで、蕎麦味噌で一本呑み、天ぷらでまた一本呑み、蕎麦を啜って、ご機嫌で帰宅したのでした。