2018年3月16日金曜日

Roy Hargroveのライブへ



 じつに、じつに、ひさびさにジャズのライブにゆく。

会員になっている青山のジャズクラブのフェアで、ミュージックチャージが半額になっていたのだ。打ち合わせ後、ダッシュ。サントリー本社前の天ぷら屋でささっとビールで天丼をかきこみ、クラブにかけつけた。
食事もできるクラブだけれど、なんせ青山価格 笑 ハイボールだけたのんで、最前席に陣どった。

 大好きなトランペッター、ロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)のクインッテト。ぼくは、ロイのライブは五度目。新バンドのメンバーは、

Roy Hargrove -trumpet
Justin Robinson- alto sax
Gerald Clayton - piano
Danton Botler - bass
Montez Coleman- drums

 という、オリジナルメンバーでの来日。前アルバム『イヤーフード』からの曲もあったけれど、のっけから新曲がおおくて、うれしかったなあ。

むかしのロイは、ものすごい高速でガンガン吹きまくる印象があったけれど、いまは、音数がすくなく、ソロもみじかい。むしろ、若手のジャスティンとジェラルドのソロに焦点をあててリードをとる。このツートップは息、というより、音の相性がとてもいいようだ。ピアノとダントンのハーモニーは、抜群。

あと、ペットの音が、さすがにくきやかで、おおきいですね。ときに、マイクなしでウィールしてたけれど、まったく違和感なし。マイルス、ウィントン・マルサリス、最近だとクリスチャン・スコットとか、自分のバンド内で自己構成してゆくブッチャーとちがい、ロイはセッションタイプのミュージシャン。それで鍛えられているのかな。バンドはステージも選曲も相当数をこなしているとみえ、ほんとうにエンターテイティブで聴きやすかった。五十分ほどのステージは、あっというまに、あーあ、終わっちゃった。

CDにサインしてもらおうとしたのだけれど、ファンや関係者にとりかこまれており、断念。それにしても、ロイ・ハーグローヴはむかしからファッションが洒脱。最近はよく蝶ネクタイをしてるみたいだけれど、スピリ工房のカーボン製トランペット「da carbo」(カーボン・ファイバーだから?)によく映えていた。詩人も、かくありたいですね。「ダ・カーボ」については、下記リンクからごらんを。スマホでときどきのぞいては、あの音の記憶を反芻しています。


ステージではヴォーカルも披露するロイだが、やはりというか、MCではドナルド・トランプ政治についての危機感を表明していた。ジャズのライブでミュージシャンらがトランプ政権を危惧し、オーディエンスに連帯をもとめる場面は非常によく見られる。もとい、ジャズはその最初から、世界に伏流する危機を察知し、自由を希求する音楽と生のボルテージへ変奏してきたのだけれど。
いわずもがな、日本では現政権、官僚組織がともに陋態をきわめ、だれもが唖然とするしかない非道い状況が日々深まっている。
でも、沈みこんでばかりはいられない。
ロイ・ハーグローヴの音楽は、そんな憂いをともにしつつ、文字どおり吹き翔ばしてくれた。


ファンタスティックな夜でした!

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