2019年2月8日金曜日

京都の旅〜奥丹のゆどうふ






 1/20、今年退官される頼冨先生の招待で、京大でトークと朗読。そのあと、先生と院生の室井さんの三人で、清水へゆく。お目当ては、洛中、屈指の湯とうふやさんである奥丹総本家。ぼくが、京都の湯とうふで呑みたい!と叫んでしまったがゆえ 笑

 清水は、産寧、弐寧坂も、海外観光で芋をあらうよう。一月の京都がこんなに混むなんて。「近年、京都は観光シーズンのオンとオフがなくなりましてん」と、院生さん。それでも、着物や晴れ着に身をつつんだ海外観光客はとても楽しそうだ。それにしても、中国の女性観光客はみないちように白いダウンコートを着ていたが、流行ってるのかな?

 京小物や器やをのぞきながら、産寧坂を下り奥丹清水へ。湯とうふの老舗は、奥丹のほかに、順正清水おかべ家がある。おかべ家は竹久夢二が仮隅した明治の洋館。豆腐のほか、洋食もだすのだ。

 さておき、写真のごとく奥丹は数奇屋造の大屋敷。庭園もあって、大正硝子の窓からお庭をみながら湯とうふをいただけるのだった。
 ぼくらは、「昔とうふ」の御膳にする。まず、菊正のぬる燗で乾杯。さきづけは、とろろ汁と自家製胡麻とうふ。こちらのとろろ汁が、逸品。絹のようになめらかな舌触り。こうなるまでに、いったい何時間、擦るのやら。胡麻とうふは、粘りがなくて、瑞々しい。出汁と芳醇な胡麻の香がして、ほかでは食せない胡麻とうふです。香ばしい山椒味噌を塗ったとうふ田楽も、豆腐なのに、もっちりした食感で美味。

 さて、ついに、「昔とうふ」の湯とうふがきた。先生は、「京の湯とうふは、しっかりしてまっしゃろ。箸でつまめるくらい弾力がないとあきまへんのや」と、破顔。昔とうふはその名のとおり、創業以来、奥丹総本家の地下で昔ながらの製法で毎朝つくられる。木綿豆腐よりやや固く、噛みしめると、豆の香がぷんとやわらかく、口内にひろがる。この食感と豆の香が、寒い京都の、最高の酒肴になるのだ。
 庭に、雪がちらついてきた。あゝ、底冷えに寒い。でも、この京の寒さの底で、湯とうふをはふはふし、ぐいっと熱燗を呑むのが、乙でんな。熱々の湯とうふのあいまに、冷たく喉ごし佳きとろろ汁をすするのが、これまた。


 先生、室井さん、ごちそうさまでした。美味しかったし、愉しかったなあ。ぼくの酔狂におつきあいくださり、ありがとうございました 笑‎

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