2019年7月23日火曜日

詩人Martina Diegoと逢う




さる土曜日の夕方。秋にリブートする「LUNCH POEMS @DOKKYO season2」にご出演いただく、イタリアの若手詩人マルティーナ・ディエゴ氏と池袋で初めてお逢いした。

2018年春に日本で上梓された詩集『元カノのキスの化け物』(アートダイジェスト)は、ディエゴさんの第一詩集。なんと、詩人は、母国語のイタリア語ではなく、最初から最後まで日本語で詩集を書き下ろしたという。「私のポエジーはイタリア語では表現できなかったから」と、ディエゴさん。ジョセフ・コンラッドやウラジミール・ナバコフが、そうだったように。
例のごとく、日本の詩界では、彼の詩集はあまり報知されなかった。ぼくがアンケートでとりあげたくらいかな。とまれ、書評誌や新聞で紹介されるなど、好反響を得たのだった。

 昨年、ぼくがディエゴさんの詩集を、偶然、手にしたのも、イタリア人シェフのパオロさんが野毛でやっている焼き鳥屋「トリノ」(!)でのこと。ワインのとなりにおかれた詩集に目がゆき、まず、タイトルに顔面をパンチされ、ページをめくるうちに、つぎつぎ、ボディブロウをくらったのだった。
 その、日本語とも外国語ともつかない不思議な詩語に。

美尻の美貌に酒(アブサン)を一杯発注して
秋の空を縁取っていた窓を眺めながら
乾杯を揚げた
変わらない夢へ      (「秋の空の乾杯」より)

 一軒目は、メイドさんのいる珈琲店で。二件目は、ビアバーで。日本とヨーロッパの詩、翻訳のポエジー、アート、ロック、見事な日本語でくりだされる明晰な言葉のジャブを浴びながら、ここちよく四時間がすぎたのだった。

 秋、11月のランチポエムズが、とても愉しみ。

0 件のコメント:

コメントを投稿