2020年5月7日木曜日

酒食日誌(1)




 新型コロナへの非常事態宣言が、埼玉では延長され、家に静居の日々がつづく。大学はオンライン講義、打ち合わせもオンライン。
 そんな折、家呑みが、畢竟、愉しみである。

 ぼくは小説家ではないので、コロナ以前は外出もおおく、喫茶店やバーを書斎がわりに原稿を書いてきた。携行用の原稿用紙やノートに書きつけた草稿は、コンピュータで清書してもらう。有名な話だが、作家の内田百閒や池波正太郎は外出できず蟄居して書くので、自宅の酒食が最重要だった。内田氏も池波氏も食事日誌をつけてい、毎食のメニューにこころをくだいていた。
 
さて、おなじ境遇となったぼくも、少々、晩酌について記そう。今晩の石田家の献立は、

先付 香物 山うどのたいたん 烏賊一夜漬
酒肴 明石蛸ざく
主菜 若鶏の信州平茸はさみ焼き
食事 筍と山うどの炊きこみご飯 味噌汁

酒 神龜純米吟醸限定生酒

 酒器は、小山冨士夫作斑唐津盃と江戸期麦藁手片口茶碗。ここのところ、いっきに夏日の気温になってしまったので、黴やすい春の徳利はしまい、初夏初秋の酒器をだしてしまった。酢蛸を盛った李朝期の刷毛目皿は、もともと酒器としてつかわれていた伝世品。
 気分転換も兼ね、夕食は、ぼくが包丁をふるう。そこが、作家と詩人のちがいなのかもしれないなあ。

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