2018年12月26日水曜日

ホテルニューグランドでカンヅメ






ちょっとまえのこと。広告の原稿を依頼されて、横浜のホテルニューグランドで連泊。ついでに(?)、来春刊行予定の新詩集『Asian Dream』(仮題)の校正をした。

つぎから次へ、原稿、講演、イベントの波がうちよせ、夏から新詩集のゲラにふれることができなかったから、この滞在を利用して一気に校正してしまおうとしたのだ。

ホテルニューグランドは、ぼくの定宿のひとつ。息抜きに山下公園や港を散歩して、潮風にあたりながらカフェジャンのベトナムコーヒー片手にベンチにすわり、海や汽船を眺めたり。ランチに中華街を探検するのも楽しい。今回は、桂宮で麻婆豆腐を食べたけれど、やっぱり、絶品だったなあ。豆腐はもちろん材料はすべて中国から空輸しているとか。

朝から夕方まで部屋で集中して仕事。多くの文士が滞在したホテルニューグランドは、毎回おなじ部屋に泊まらせてくれるので便利。ちなみに、ぼくの定部屋の隣の隣には、作家大佛次郎が専用につかっていた部屋「天狗の間」がある。仕事をあがると、ホテルの銘バー、シーガーディアンⅡでアードモアのソーダ割りを呑みつつ一服。夕餉は、予約してあった、たん熊北店熊魚庵へ。白木のカウンターで軽めのコースをいただく。主菜は、名物すっぽん丸鍋にした。とはいえ、すっぽんの身はほとんどなく、滋味溢れる琥珀色のスープを主にいただく鍋なのだ。なんともいえない豊穣なスープで、これで、ぬる燗にした黒龍吟醸純米酒を一本呑んでしまう。今回、旅盃は、北大路魯山人の刷毛目盃を持参した。
すっぽん鍋のあとには、これも、たん熊名物、かやくご飯がでる。たん熊以上に美味しいかやくご飯を、ぼくは知らない。ご飯のお味は関東にあわせてあるらしい。京都本店の味はもうちょっと淡い。やはり、スープがメインだとお腹が減るのか、はも、中トロ、白鯛のお寿司を一貫ずつにぎってもらった。食後は、シーガーディアンを再訪。タリスカー12年、響21年を、寝酒に一杯ずつ。

翌朝も午前六時から執筆。遅い朝食は再びたん熊で朝粥をいただく。お午にチェックアウト。あまりに美味しかったから、ランチはもういちど、桂宮で麻婆豆腐を食べちゃった。

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