2019年4月19日金曜日

ぼくのキャンパスライフ





 去る4月6日土曜日に東京は学習院大学の目白キャンパスで講演と朗読の機会を得た。

 昨年にひきつづき、オープンキャンパスの催でまねかれたのだった。会場の大講義室には二百名ちかい聴講者の方々がいらっしゃった。


 このオープンキャンパスは、高等部の父母から学習院大学卒業生の方々までが参加でき、毎年、桜も咲きほころんで、華やかな雰囲気につつまれる。大学の恩師の特別講義、最終講義を聴きにこられ、そのまま同窓会、といった卒業生もおおく、会場には学生さんのみならず、さまざまな世代の方々がおみえになった。なかには、昨年も聴講されたお客さんたちが、「ことしはお友達もつれてきました」、と来場されていて、終了後にお話させていただいた。


 学習院大学は卒業生の結束力がつよいのだなあ。

 記念撮影後には、「これを呑んでお花見してください」と、きれいな桜色の包装の「限定純米大吟醸 越州桜日和」をお贈りいただいた。学習院大学の皆様、ほんとうにありがとうございました。

 さて、そんなことがあったのも、つい二週間前。すでに、桜は散り、いまは、若葉が枝という枝に柔らかい火花を噴きあげている。ことしもフェリス女学院大学での講義がはじまり、鶯の鳴く丘にたたずむ緑園都市キャンパスにかよっている。


 ことしは四十五名の履修者にたいし、六十名ほどの乙女たちが教室内にいらして、昨年にひきつづき聴講される学生さんもおおい。なかには、三年連続でおみえになっている学生さんらもいる。すると、フェリスでお世話になって、もう四年が経つのだなあとつくづく感じ入るのだった。


 フェリスの学生さんたち、とても勉強熱心な学生さんたちだと思う。講義は近現代の詩歌がテーマだが、文学が専門ではない学生さんもおおい。ぼくが講義をつづけられるのも、大学側のあたたかいご支援と、優れた聴き手である学生さんたちの賜物だろう。
 とまれ、毎年、苦心するのは、講義でとりあげる詩人のチョイス。講義は詩歌史が中心なので、朔太郎、賢治など、毎年とりあげる詩人もいる。講読する詩作品は毎年変えるが、三年連続で聴講してくださっている学生さんたちを飽きさせてはいけない、プレッシャーがあるのだった。

 ことしは、獨協大学の「LUNCH POEMS@DOKKYO」もリブートするので、来月は、ひさしぶりに主催教授の原成吉先生と新ゼミ生たちに会いにゆこう。それまでに、ゴールデンウィーク返上で原稿を書きあげねばなるまい。

 フェリスの講義後は、図書館にこもって、大学関係の仕事でもしてゆくかなどと殊勝な考えをおこすこともあった。結局、「ひさしぶりだから」と自分に言い訳しつつ、足はおのずと横浜の盛り場へとむかい、あの独特な店構の野毛たべもの横丁の鮨屋「まんぼう」に開店と同時にすべりこむ。おつぎは、関内の名バー「カサブランカ」へと梯子をかけ、老舗ジャズ喫茶&バー「ちぐさ」へ。店員さんと再会を祝しつつ晩年のシャーリー・マクレーンの声に思わず目頭をおさえ、バーボン&ソーダをおかわり。〆は、もちろん、「大来」の湯麺である

 終電の湘南新宿ラインにギリギリセーフで飛び乗った。

 当然、翌朝は、宿酔い。嗚呼、毎年このパターンが、永劫回帰するのだな、と達観しつつ、ぼんやりした頭で埼玉の鶯の歌をきくのだった。

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