出張で、横浜のホテルニューグランドに宿泊。左右社WEB連載の 詩的紀行文「詩への旅」の原稿を脱稿。散歩がてら、 山下公園から赤煉瓦倉庫までゆき、原稿用紙のはいった封筒を、 ふるめかしい郵便ポストに投函。
赤煉瓦倉庫内のレストランバーにはいる。 うすいローズに染まった海をぼおっとながめつつ、 オリーブをつまんで、イタリアの白ビール。 夕飯はどうしようかな、と考えいたら、サンフランシスコの詩人、 ジュディ・ハレスキさんからメール。
アメリカ詩がご専門で翻訳家でもある高橋綾子先生の協力で、 世界同時多発的に開催される文学とアートの催し「Extract ion」に招待されており、その打ち合わせ。 詩人のヤリタミサコさんに誘われてかなった、 写真家の谷口昌良さんとのコラボレーション「しの傷」が、 選考委員のあいだで好評だとか。そうすると、 サンフランシスコのギャラリーに展示・出演する話もでてきて、 なやましい。
ジュディの詩を「現代詩手帖」誌でともに和訳し、 昨年のちぐさイベントでも活躍された二宮豊氏からメール。 ウィリアム・カーロス・ ウィリアムズについての修士論文を無事に提出したとの由。若きW CWがレヴューしたT.E ヒュームの初版リフレットをもってい るので、記念にさしあげようかと思う。
こんどは、さらに、ヤリタミサコさんからメール。 今年のポエケットへの出演依頼。出逢いの縁の鎖に、 いまさらながら、おどろく。
海にも照らしだされて青い闇に浮かぶ、 みなとみらいの電光のなかを、吉田橋のほうへ歩く。夕餉は、 黒澤明も音ずれた料理や、元町梅林にする。「クロサワ」 というコースで、お造りにはじまり、コロッケ、鴨汁、 和牛ステーキなどもでるが、お食事に、 かなり大きなにぎり飯がでた。水菓子が、 黒澤監督の好んだ珈琲ゼリーというのも、おもしろい。酒は、 ホワイトホースの水割り、お銚子三本。
夜の港街を、ふらふらと、徒歩で、ホテルへ。ふたたび、 原稿用紙にむかう。夜食に、おもたせにしてもらった、 おにぎりをぱくつく。いったん、ペンを休め、 寝酒のブランディを呑みに、一階のバー「シーガーディアン」へ。
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