2018年8月7日火曜日

書家 北村宗介さんの新作





 神楽坂で開催された北村宗介さんの個展でお譲りいただいた書作品「風聲」を落掌。それも、浦和にお住いの書家が、「手渡したいから」と、自転車でお運びくださった。

 夜の10時、夏の蟲らの威声が響く、見沼の田園ちかくのローソンで待ち合わせ。店内にはいると、北村さんがもうイートインコーナーで麦酒を呑んでいる 笑 ぼくも買って、早速、乾杯。個展の感想や近況を述べあっていると、北村宗介さんが言葉どおりに作品を手渡してくださった。

 北村宗介さんの最近のお仕事は、今年、松本清帳賞を受賞した、川越宗一氏の時代小説『天地に燦たり』の題字だという。あがってきたばかりのゲラを見せながら、破顔される。受賞式では、‎北村宗介さんとおなじ原山にくらす小説家、京極夏彦氏と出逢ったとか。ぼくも、だいぶ以前にお会いしたことがある。京極氏が、浦和の鰻やに詳しいので、不思議に思ったのを憶えています。

 さて、作品のほかにも、北村宗介さんが持参されたものがあった。新しい璽印を、贈ってくださったのだ。印すと、消えがてのひらかなで、「みずほ」と浮く。製作に一週間ほどかかり、光栄にも、川越氏に贈った印と同時期に彫ったのだとか。

 このあいだ、とある機会に書いた、英字書に印してみた。毛筆とアルファベットと璽印のひらかなが、不思議と、流れるように結ばれて和紙に浮かんだ。北村宗介さん、ありがとう。生涯、たいせつに遣わせていただきます。


 もうすぐ、お盆。晩夏から秋へ、書の奥底にふるえる風の聲は、なにを語ってくれるだろうか。‎

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