2019年1月29日火曜日

「ごだん 宮ざわ 冬編」撮影へ



 1/20から、3泊4日で京都出張。スカパーのTV番組アッシュの仕事で、流響院と、ミシュランの星を獲得した京料理屋「ごだん 宮ざわ」さんでの撮影だった。好評につき、春、秋につづいて、今回は冬編。ぼくと妻みゆは三度めの出演をさせていただいた。

 ハリスツイードの上下だけ着込み、もう十年以上はつかってオンボロのフィレンツェ老舗革店オッティーノのボストンバッグにすべてを詰め込んで。

 初日は京都大学吉田キャンパスの文学イベントに出演し、夕方から、清水の奥丹で湯とうふで一盃。それから、祗園サンボアで深夜まで。

 翌朝、かすかに頭痛を感じつつ、糸屋ホテルにて、ご存知、番組プランナーで詩人の城戸朱理さんとプロデューサーで写真家の小野田桂子さんと再会、ご挨拶。城戸さんとぼくは、東寺の弘法市で骨董をひやかす。昼過ぎに、共演者でもある妻みゆが京都入り。

 1/22が、流響院での撮影。翌1/23が、宮ざわさんでの撮影だった。

 詳細は、ぜひ、番組をご覧ください。放映日時は後日、本ブログでもお知らせします。監督は春、秋編につづき、詩人吉増剛造さんを撮った映画『幻を見る人』で海外を中心に数々の賞に輝いた井上春生さん。

 宮ざわさんの手になる、流響院をイメージした冬の創作京料理も、いわずもがな、お味は絶品。乾山や楽家の銘器(!)を中心に見目麗しく盛られた、革新的なアイディアから生まれる京料理の数々に、撮影も忘れてすなおに感動し、堪能してしまった。仕事ではあるものの、心から愉しい、贅沢な旅にお連れいただいた。

 三度の共演をいただいた、ごだん 宮ざわのみなさん、妻みゆと記念撮影。写真は、井上監督が手ずから撮影くださり、カメラマンの安井さんが、ライトまで当ててくださった。‎

 休日返上で、徹夜で撮影にとりくんでくださった宮ざわの皆様、井上監督はじめ撮影クルーの皆様、城戸さん、小野田さん、ほんとうにありがとうございました。ぼくと妻にとって、生涯忘れられないお仕事であり、豊穣な旅となりました。

2019年1月14日月曜日

年明けの日々





 年始から、執筆におわれるまいにち。ほとんど、書斎をでずに、外出は打ち合わせ先に出向くぐらいで、呑みにいってさえいない。ほんとうに。

 昨年末からもちこした書き仕事を了、と思いきや、新年明けてからも、詩やエッセイの原稿依頼をいただいており。新年早々、ひきこもりライフに突入してしまった。年賀状の返信さえままならなくて。ブログの更新も、ひさびさになってしまいました。

 終日、机に齧りついているので、たのしみといえば…夕方、仕事仕舞いの一杯となる。写真は、広告仕事で日頃お世話になっているカメラマン、水尾比呂志さんからお歳暮にいただいたブレンデッド・スコッチ、ご存知、ジョニー・ウォーカー〝ゴールドラベル・リザーブ〟。
 サントリーの銘ウィスキー響17年の重厚な華やかさとジョニー・ウォーカーの伝統―良質な英国モルト特有の苦味のアクセント―がマリアージュしたかのような。良い意味でキザを愉しんでしまう、英国らしいニュアンスの高級ウィスキーに仕上がっている。

 朝は散歩しつつ、庭に咲いた冬花を活け、机上に飾ったり。寒椿を、フランスの陶芸家ダビット・ルーボー氏からいただいたティーポットに一輪差してみた。中国茶に造詣が深く、韓国と日本の伝統窯で修行したダビットらしい一点。蓋が、朝鮮の古仏塔みたいな造形になっているのも、おもしろい。あとは、家族いわく、料理、靴磨きが趣味かなあ 笑

 と、まあ、こんなことを手遊びつつ、書き、独酌する新年です。

 来週は、冬の京都で撮影。ひさしぶりに、京都大学の頼富本宏先生や「ごだん宮ざわ」の宮澤料理長、井上春生監督にお会いできるのも、うれしい。
あと、かなうなら、淡路島の鱧鍋で一盃、やりたいなあ。

2019年1月2日水曜日

謹賀新年2019






 みなさま、新年明けまして、おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 風もなく、春陽もうららかな、いいお正月。ぼくは初詣をすませ、母と妻がつくったおせちを食べました。

 元旦は、朝から堂々と酒が呑めて、うれしい。
おとそは、山形は寿虎屋酒造の銘酒「三百年の掟やぶり」純米生原酒。甘酸っぱく芳醇でスパークリングワインみたい。穴蓮をつまみに。お雑煮は、五島列島のつみれで出汁をとり、丸餅がはいった。

 新年となり、新箸をおろす。白洲正子も愛用した、京都の市原平兵衛商店の竹箸。箸先がとても綺麗だ。今年も、すこやかな箸、橋わたしを祈って。

 そういえば、今月は、スカパーの文化テレビ、Ashの撮影で月末から京都へ。

 また、今年も、いろいろはじまるんだなあ。

 二月には、第4詩集『Asian Dream 』も、いよいよ刊行される。

 今年も、書初めをアップしてみました。猪突猛進とはゆかずとも、やや枯れた亥の字のごとく、どっしり歩みたい。

 お正月中、元旦だけは呑んで休み、あとは、去年からもちこしの原稿を集中して執筆します 苦笑 次回更新は1/10ごろになります。本年もどうぞお付き合いください。

 よいお正月をおすごしください。

2018年12月31日月曜日

「百年ののち」〜よいお年を



 黄昏が、だいぶ、ながくなってきた。

 ダンジョンでのライブのあと、共演してくださった村岡佑樹さんと野澤夏彦さんのロックバンドAram (アラム)の新譜CDを入手することができた。歳末の原稿を書く手や書架を整理する手のそばで聴いている。

 夜と、妻いわく「ふられちゃった男子?」がコンセプトのep。ジャケにつかわれている写真作品が印象的だ。シャガールを憶わせる、光をぎりぎりまで削いだ、薄闇でバレエする少女たちの表情に暗さはない。それは、どこか、Aram の音楽的リアリティを語っている気がする。

 ロックバンドであるにもかかわらず、メンバーのルックスをふくめ、このアルバムは極力、ロックぽくない。静謐、とさえいえる。ゼロや希薄とはちがうのだが、カリスマだの反抗だのとは異質な強度とアーティストシップが、このバンドをつらぬいている。ポスト•サイケとかいうキャッチコピーも、ささやかれているようだけれど。

    ぼく個人は、夜を生きる者たちの音楽ーー隠れひそむ秘めやかな靭さと、夜へあふれだす逆説的な光源と、闇の温もりのようなものを感じている。

 ダンジョンで共演した感触で語れば、かれらの音楽的な感性は、とてもひろやか。アラムのネーミングのとおり、その音のドアのむこうには、アメリカの文豪サローヤンがいて、現代アートが展示されていて、コンテンポラリーダンスが四肢を転変させている。

 現代ロック、いわんやショービズの文脈では語れない世界がある。ジャズやポストロックといった影響を超えて、テクニックも、創造する宇宙も、すでに独自の領域に踏みこみつつあるようだ。歌詞も、いいですね。

 朝を待つのにつかれて
 あなたは夜へ
 身をなげた        (「百年ののち」)

 2018年の終わりに、音楽の夜と朝をひたと凝視め、靭くしなやかにロックする、若きバンドの舟出を祝福したい。
 かれらの見つめる、いや、ぼくらのまえにひろがる「百年ののち」は、どんな世界だろう。
 そんな想いをいだきつつ、Aram を聴きながら新年を迎えようとしている。

 みなさん、よいお年をお迎えください。

2018年12月26日水曜日

ホテルニューグランドでカンヅメ






ちょっとまえのこと。広告の原稿を依頼されて、横浜のホテルニューグランドで連泊。ついでに(?)、来春刊行予定の新詩集『Asian Dream』(仮題)の校正をした。

つぎから次へ、原稿、講演、イベントの波がうちよせ、夏から新詩集のゲラにふれることができなかったから、この滞在を利用して一気に校正してしまおうとしたのだ。

ホテルニューグランドは、ぼくの定宿のひとつ。息抜きに山下公園や港を散歩して、潮風にあたりながらカフェジャンのベトナムコーヒー片手にベンチにすわり、海や汽船を眺めたり。ランチに中華街を探検するのも楽しい。今回は、桂宮で麻婆豆腐を食べたけれど、やっぱり、絶品だったなあ。豆腐はもちろん材料はすべて中国から空輸しているとか。

朝から夕方まで部屋で集中して仕事。多くの文士が滞在したホテルニューグランドは、毎回おなじ部屋に泊まらせてくれるので便利。ちなみに、ぼくの定部屋の隣の隣には、作家大佛次郎が専用につかっていた部屋「天狗の間」がある。仕事をあがると、ホテルの銘バー、シーガーディアンⅡでアードモアのソーダ割りを呑みつつ一服。夕餉は、予約してあった、たん熊北店熊魚庵へ。白木のカウンターで軽めのコースをいただく。主菜は、名物すっぽん丸鍋にした。とはいえ、すっぽんの身はほとんどなく、滋味溢れる琥珀色のスープを主にいただく鍋なのだ。なんともいえない豊穣なスープで、これで、ぬる燗にした黒龍吟醸純米酒を一本呑んでしまう。今回、旅盃は、北大路魯山人の刷毛目盃を持参した。
すっぽん鍋のあとには、これも、たん熊名物、かやくご飯がでる。たん熊以上に美味しいかやくご飯を、ぼくは知らない。ご飯のお味は関東にあわせてあるらしい。京都本店の味はもうちょっと淡い。やはり、スープがメインだとお腹が減るのか、はも、中トロ、白鯛のお寿司を一貫ずつにぎってもらった。食後は、シーガーディアンを再訪。タリスカー12年、響21年を、寝酒に一杯ずつ。

翌朝も午前六時から執筆。遅い朝食は再びたん熊で朝粥をいただく。お午にチェックアウト。あまりに美味しかったから、ランチはもういちど、桂宮で麻婆豆腐を食べちゃった。

2018年12月17日月曜日

Dungeonでの一夜〜レンカ(踊り)×村岡佑樹(g)×野澤夏彦(g)×石田瑞穂(詩)〜


石田瑞穂 Mizuho Ishida 
 Photo by ©️池田敬太 Keita Ikeda


Renka 
Photo by ©️池田敬太 Keita Ikeda



野澤夏彦 Natsuhiko Nozawa
Photo by ©️池田敬太 Keita Ikeda




村岡佑樹 Yuki Muraoka 
Photo by ©️池田敬太 Keita Ikeda


 去る11月9日の日曜日。東京板橋区にあるアートスペースDungeonにて、詩とアートのコラボレーション展「直角はありません」のクロージング・イベントが開催された。
 本ブログでも告知してきたけれど、踊り手のレンカさん、アルバム「百年ののち」をリリースしたばかりの新鋭ロックバンドAram(アラム)のメンバー野澤夏彦さんと村岡佑樹さんによるツインギター、という編成で、ぼくらは「ポエトリー・パフォーマンス」に挑んだのだった。

 会場は、大盛況。観客席には、コラボレーション展に参加された詩人の広瀬大志さんと、そらしといろさん。そして、広瀬さんと共創された美術家の宇野和幸さん、詩人の生野毅さんもお見えになる。
 獨協大学教授の原成吉教授をはじめ学生、卒業生、早稲田大学とフェリス女学院大学の学生のみなさんもご来場くださった。

 イベントは、午後5時からスタート。まず、「絵画による詩は可能か」と果敢に問いかける美術家のタカユキオバナさんによるポエトリーリーディング。そして、本展の名づけ親にして詩人の川口晴美さんがリーディングをされた。つづいて、ぼくらの出番。

 漆黒のドレスをまとったレンカさんが、登場。ソロで踊りはじめる。そこに、野澤夏彦さんと村岡佑樹さんが、かすかにひずむディストーションを対奏しつつはいってくる。さらに、ぼくはノートに書きつけた長篇詩「神迎え」(かむかえ)を粒焼くように、朗読していった。
 レンカさんのしなやかな四肢は、極力動きを抑えつつ、音楽と詩の言葉の透き間にゆらめきだち、舞い、鳥に、雪に、光へと生成してゆく。そうしながら、音楽と言葉の抱擁をうながす形象を紡ぎだす。
 野澤夏彦さんと村岡佑樹さんのツインギターは、クリアからノイズまで、電子の音色と音響をたくみに重奏させ、織り解きながら、エレキギターという楽器の潜在性を詩の深層まで降りてゆく。しかも、ロックやジャズのコードやリフをほとんど駆使せず、踊りと詩がその場で生起させる宙空から、完全に即興で、特異なスケールとビートを醸してゆくのだった。それは、終盤のふたりの即興ソロ演奏でもそうで、シングルノートで鮮やかにソロをとる村岡さんにたいし、野澤さんはエフェクターを自在にあやつり茫洋と揺蕩うかのアンビエントを展開していった。
 フィナーレは、レンカさんの踊りとぼくの詩作品「ネザーランド」(『耳の笹舟』収中)の朗読でデュオ。ぼくの書く詩は本質的には宛先不明の詩だと思う。でも、この夜、じぶんの詩が初めて、レンカさんの踊る肉体に運ばれ、どこか遠いアドレスにつれていってもらえた、という得がたい感覚を得た。臆面なく書けば、一詩人にとって、とても幸福な出来事だと思う。
 これもすべて、レンカさん、野澤夏彦さんと村岡佑樹さん、お三方の稀有な才能とアーティストシップの賜物としかいいようがない。

 そして、もちろん、この夜ご来場くださったgreat audiencesのお力だと思います。

 こうして、オファー当初はまったく予期していなかった成果を得たのも、忍耐強くご支援くださったDungeonのオーナーの戸野倉あゆみさん、キュレーター/プランナーであり映像作家の安藤順健さん、そして、レンカさんとぼくをひきあわせてくださった類稀な批評家にして詩人の生野毅さんのおかげです。また、写真家の池田敬太さんは、この記事にも掲載させていただいている素晴らしい写真作品を、無償でお貸しくださった。ここに記して感謝いたします。

 みなさま、ほんとうに、ありがとうございました。

2018年12月5日水曜日

Dungeonでのリハーサル


右:野澤夏彦さん 左:村岡佑樹さん


 巣鴨のとげぬき地蔵にお参りしたあと、蕎麦屋で呑み、板橋本町のアートスペース、ダンジョンへ。

 12/9のポエトリーリーディングのためのリハーサルがあったのだ。いま、書きすすめている長篇詩「神迎え」(かむかえ)の原稿をもって。当日読む原稿は、会場に展示もされます。

 晩秋の寒夜にもかかわらず、リハーサルは、踊り手のレンカさん、ロックバンドのAramの村岡佑樹さん、野澤夏彦さんのフルメンバーで参加。ダンジョンのオーナーの戸野倉あゆみさんと本展キュレーターの安藤順健さんも立ち会ってくださった。

 みなさん、日中の仕事をおえて、リハーサルというよりゆるやかにセッションを愉しむ體だ。でも、音と踊りがはじまるやいなや、酔いもさめるテンションでリハ開始。

 気心知れた村岡さんと野澤さんのギターがからみあう音の空中を、レンカさんが泳ぐように舞う。詩も、ただただ、時を忘れて愉しみ、たゆとう。ジャンルを越境するバンドのような。すごく、豊かな一時間でした。

 当事者ではあるけれど、当日が待ち遠しい。ちょと、緊張しますが。イベントの詳細は、下記リンク、ダンジョン公式ブログをご覧ください。


http://chikashitsu.blog.shinobi.jp

 ぜひ、お越しください