神保町古書店街へ
神田神保町で打ち合わせがあり、ひさびさに書店街を散策。休日の神保町は、ビジネスマンも観光客もいず、がらんとしていて、非日常の街。街は貸し切りになったみたいだ。それでも、バカンスにゆけなかった孤独な遊民や奇特な愛書家がちらちら出歩いていた。
すこし早めについたので、詩の専門店、田村書店へ。田村書店は休みだったが、隣の澤口書店の300円棚に所持していない田村隆一のエッセイ本を発見。『ぼくの人生案内』。1998年刊行の本で、小学館からでている。
詩人田村隆一が、読者の人生相談に回答するという企画で、植村慎ニ氏による田村さんのポートレートがふんだんにつかわれてもおり、田村ファンには好適の一冊といえよう。田村隆一の回答が、おもしろいながらも意外とまともなのが、珍本。
アートディレクターの池田龍平さんと打ち合わせ後、山の上ホテルの鉄板焼き「ガーデン」でランチ。ワインは、ペイ•シャトー•ラトゥールをボトルで注文。池田さんに、ごちそうになってしまった。それから、こんどは、李朝時代の民画集をさがしているという池田さんと書店街を歩く。
いまやアートブックを中心に揃える小宮山書店で、『ハンス•ベルメール』をみつける。押井守監督の『イノセンス』にも重要な小道具としておなじ本がでてくるのだった。大学の講義で、澁澤龍彦や吉岡実が偏愛し、超現実主義に影響をうけた美術•人形作家の本として紹介しよう。
珍本といえば、大正9年刊行の詩人川柳虹ニ訳『エルレーヌ詩集』。エルレーヌとは、ポール•ヴェルレーヌのこと。オブジェにもなりそうなポケットサイズの詩華集は、純粋に、歳月を経た本のたたずまいが気に入ったから。
ほんとうは、最低、月一回は古書店を巡礼すべきなのだが。なかなか、かなわない。だから、仕事の合間とはいえ、池田さんとの古書店めぐりは貴重なひとときだった。
こんどは、学生さんたちを古書店街ガイドにつれだそう。
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